メイクアップアーティストになるために、必要な資格や免許は何もないということは別の項目でも既に説明した通りなのですが、それにも関わらず、メイクアップアーティストに関係する資格試験や検定などが多数あることを不思議に思っている人もいると思います。
それらの資格や検定はすべて民間のメイク協会などが運営しているものなのですが、では、民間の協会が運営している資格や検定を受けることに、どれくらいの価値があるものなのかを考えていきたいと思います。
有名なメイクアップの試験といえば、IBF(国際美容連盟)が認定しているIBF国際メイクアップアーティスト認定試験、JMA(日本メイクアップ技術検定協会)が認定しているメイクアップ技術検定です。
IBFの国際メイクアップアーティスト認定試験については、特に目にする機会が多いのではないでしょうか。
まずこれらの試験の目的は、メイクアップアーティストを広く一般の職業として認知させることにあり、メイクアップアーティストの知識や技術の底上げや、美容業界全体の活性化にあります。
IBF国際メイクアップアーティスト認定試験の場合、試験を受けるにはIBFの認定校を修了していることが条件になります。IBF(国際美容連盟)はニューヨークと東京に拠点をおき、国際的に活動している団体であることから、"国際"と名打った認定試験を実施し、実践的な技能を審査しているのです。基礎テクニックや、TPOに合わせてメイクを施せる力が試されることもあり、合格すれば一定の基準をクリアした実力をもつ証明になるとされています。
就職活動や、仕事をする時に、いつもメイクなどの実技を見て実力を判断してもらえればいいのですが、正式な免許や資格のない職業だけに、面接の時などに書面上で自分に一定基準以上の実力があるということを示すことは難しいということもあります。
卒業したメイクアップスクールの成績や、その学校を卒業したということ自体で、一定基準の実力があるということを示すことはできますが、それにプラスして、客観的に自分の実力を証明する材料として、こうした試験に合格する価値はあると思います。
しかし、現在現場で活躍しているメイクアップアーティストがみんなこのような資格試験や検定に合格しているかといえばそんなことはありませんし、もちろん資格や検定に合格していることがメイクアップアーティストとして活躍する条件ということは一切ありません。
これらの試験は、何度も言うように材料の一つなのです。国家資格のようなものとは違いますので混同しないようにしましょう。自分の実力がどの程度か挑戦してみたい、就職活動の材料にしたい、そんな時には、このような試験を受けてみることも一つの選択肢だと思います。