2012年3月17日土曜日

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3Gのオフロード戦略で注目を浴びる公衆無線LAN

最近、にわかに盛り上がりがあるのが、3Gネットワークのオフロード戦略。スマートフォンの急拡大により、2015年には10年比26倍とも言われるトラフィックの急増で、現状のインフラでは支えきれない状況が確実になってきています。

オフロード戦略というのは、3Gネットワークに流れ込む大量のトラフィックを、別のネットワーク利用を促すことでトラフィックを分散させ、3Gネットワークへのトラフィック急増を抑えていこうという内容のものです。

この戦略で、注目を集めているのが「公衆無線LANサービス」です。マクドナルドやルノアール、駅の構内や空港など、様々な「スポット」に設置されている公衆無線LANサービスを使ってもらうことで、3Gネットワークから公衆無線LANへトラフィックを逃がしていこうということです。


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ちなみに、トラフィックを逃がす先として公衆無線LANを使う理由は、スポットの設営費用が3Gアンテナを設置するよりコスト安であるということが大きいです。また、既に無線LANという接続手段は自宅や会社でも使われており、コモディティ化されているということも理由の1つかとも思われます。

 

公衆無線LANって本当にみんな使えてるの?

しかし、オフロード戦略として公衆無線LANを利用するということは、当然、ユーザーが公衆無線LANを頻繁に利用する機会が必要ですが、実際にそんなにうまくいくのでしょうか?

私はここが大きな問題だと思っているのです。

公衆無線LANは「ホットスポット」と呼ばれるとおり、エリアでなくスポットなのです。スポットにユーザーが移動しない限りは利用ができません。以前、「国内公衆無線LANのスポット数まとめ」ということ記事の中でもお話している通り、スポットをいくら増やしても「面」をカバーすることができず、あくまで「点」なのです。現状での公衆無線LAN利用は、空港や駅などモバイルを利用しやすい場所に集中して、その他のスポットの稼働率は停滞しているのが実情ではないかと想像されるのです。


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ざっと、今の公衆無線LANには次のような点で、使いにくさがあると思います。

①どこで使えるかわからない

都内でも駅から出て、使えるスポットを探すのには苦労します。一体、どこで使えるのか?これを簡単なオペレーションで把握できる手段が必要ですね。

②いつ使えるかわからない

無線LANスポットは店舗内などの設備の中で使える場所がほとんどです。そうすると、店がオープンしている時間しか使えないわけなので、一体、今は使えるのか?そんな問いにも答える必要があります。

③いくら必要かわからない

通信費のことではありません。店舗に入って公衆無線LANだけ使うなんてことを店側が許可するわけではありません。店としても、公衆無線LANの設営に協力することで、人の誘導や結果として売上向上を見込んでいるケースもあります。そうすると、公衆無線LANを使う目的であっても、コーヒーやサンドイッチなどの値段は事前に知りたいものです。(最も安い商品の値段、みたいなもの。。)


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どうすれば公衆無線LANが使いやすくなるの?

どうすれば使ってもらえるインフラになるのか。それは、純粋に上記の4つのデメリットを克服する必要があります。その上、次の2つのソリューションが必要だと感じています。

  1. 利用頻度の高い場所へのスポット設置で使える「点」を増やすこと
  2. 使う動機を生む

「利用頻度の高い場所」というのは、人が停滞するところであったり、ランドマークとしてわかりやすい場所になると思います。要は、スマートフォンを触る場所ですよね。自社のユーザーがどの場所でデータ通信を頻繁に行うかをサーベイし、どれくらいのスポットを設営することで、どれくらいのトラッフィックが分散させることができるのかを検討する必要がありますね。電車の中とかで公衆無線LANが使えると朝のピーク時のトラフィックはかなり分散されそうな気もします。


「使う動機を生む」というのは、公衆無線LANスポットに行く事で、メリットが生まれる状況を作るというものです。私はこの方法が良いアプローチだと思うんです。例えば、位置情報と連動したWebマーケティングやサービスはインターネット業界では大変注目度が高いでし、こういったサービスとの連動により、「自然に」公衆無線LANスポットへの誘導を図るような動きがあっても良いと考えています。そういう意味でも、KDDIが行ったFoursquareやコロプラとの提携は注目していますね。

このように、オフロード戦略といった通信キャリアの都合だけを考えて公衆無線LANを使ってもらえるかというと、色んな高いハードルがあり、ユーザーにとってどのようにすれば公衆無線LANを使ってもらえるのかという視点で検討し、戦略的に進めていく必要があると思います。

 



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